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2017年、大晦日の「ダウンタウンガキの使いやあらへんで!」の浜ちゃんの、エディー・マーフィー姿に衝撃を受けました。
それは、彼が顔を黒塗りにしていたから。
2017年の全国放送で未だ日本は、こんな事が面白いと思ってやっているのかと落胆し、このTV製作に関わった人たちの中に待ったをかける方はいなかったのだと残念に思いました。
日本は、人種差別に対しての意識が薄いので、黒塗りがその人種差別に繋がるのかはわかりにくにのかもしれません。
しかし、ブルックリン出身のアフロ・アメリカンで、日本での在住歴が13年になるバイエ・マクニールさんのツイッターはこうでした。
ブラックフェイスやってる日本人に告ぐ。ブラックフェイスはジョークのオチなんかじゃない。ジョークが欲しいならもっと良い脚本家を雇え。黒人キャラが欲しいなら日本語を話す黒人を雇え。ブラックフェイスは や め ろ」#StopBlackFaceJapan #日本でブラックフエイス止めて お願いします
— Baye McNeil (@Locohama) 2017年12月31日
マクニールさんの言葉は、多くのアフロ・アメリカンの方々を代表した意見だと思います。
私たちのブラック・フェイスストーリー
私の夫は、カリフォルニア出身のアフロ・アメリカン。
親友といい夫が信頼する数少ない人は、日本生まれの日本人の方々です。
私たちが体験したブラック・フェイスストーリーをお話しますと、10年以上前の話しになるのですが。
私の母親が不治の病にかかってしまい、私たちは日本へ移住する決意を固め、一時私の実家に住んでおりました。
何せ私の実家が田舎のため、30歳を過ぎた女性や特に外国人は仕事が見つけにくい。
夫はその時、キャリアを諦め限られた職種の中で就職活動をしておりました。
私の夫は、日本語を割りと流暢に話します。
ひらがな、カタカナ、漢字を少々使い分けられるレベル。
時々、「日本語を話す外人は遊び人」という方や日本人の彼女、または奥さんに日本語を習ったのだろうと言われる方もいらっしゃいますが、私が夫と出会ったときは、既に彼の日本語は流暢でした。
他に、スペイン語、フランス語、ドイツ語も少しですが出来るので単に語学に関して強い人間なんだと思います。
その中でも、特に日本語が自分に合っており勉強も出来たのだそう。
そんな特技を活かすべく、幸運な事に知り合いを通じてローカル番組に出演する事になりました。
私の夫は、日本のお笑いも全てとはいいませんが結構わかります。
そして、好奇心も旺盛な性格。
当時、その番組には他にも外国人が出演していましたが、私の夫が一番日本語が話せ黒人と言うこともあって、珍しかったのでしょうね。
番組に携わる方々にはよくしていただいて、ポッと出た外国人の割には、たくさん出演させていただいたと思います。
ブラック・フェイス、黒塗りをした日本人とからむシーンを撮影させられるまでは。
私の夫は、親切にしてくれるスタッフの方々に、この人たちは悪人でもなければ人種差別者でもない、ただ単に無知なだけだと。
無知は、それほど悪ではない。
と納得しようとしたけれど、やはり自分たちに刷り込まれている醜いアメリカの歴史が、背負っているものが、それをどうしても受け流せなかった。
そして、その撮影が終わるとすぐにその仕事を辞めました。
プロデューサーの方には、自分がアフロ・アメリカンであること、ブラック・フェイスはいけないと言うことを伝えて。
彼らがどのようにその事を受け止めたのかはわかりません。
しかし、2017年、オリンピックを目前にしても未だにブラック・フェイス黒塗りを日本のTV画面で流しているのかと思うと、やはり残念の一言です。
はじめに、ツイッター文をご紹介したマクニールさんが、日本のハフポスト(HUFFPOST)にインタビューされた記事の一部を引用いたしました。
・アメリカでは1800年代以降に、顔を黒く塗った白人が、黒人役を演じる「ミンストレル・ショー」が人気を博した。しかし、「人種差別的だ」とされて廃れ、いまではすっかり「差別だ」という評価が定着している。
・ブラックフェイスが、なぜ悪いかって?
それは、これが、多くの日本人が海外の歴史を知らないだけでなく、自分自身の歴史も知らないことを示しているからです。
多くの日本人は、日本人が顔を黒く塗ったとしても、日本にはアメリカの人種差別の文脈や歴史がないので、問題ない、害がないのだと言うでしょう。
しかし、実はアメリカの歴史とは別に、日本でもブラックフェイスの歴史はありました
遡れば1854年、来航したペリー提督が当時アメリカで流行していた「ミンストレル・ショー」を幕府の役人に披露している。
《それ以来、現在に至るまで、エノケン(榎本健一・日本の喜劇王)ら、多くの日本人コメディアンやミュージシャンがブラックフェイスをしてきました。シャネルズ(※1980年代に活躍)やゴスペラッツ(※2005年〜06年、2015年夏に再始動)のずっとずっと前からのことです。だから、知らなかったという言い訳、日本にはブラックフェイスの歴史がないという言い訳は通用しない。ダメなのです》
引用:HuffPost Japan-「笑ってはいけない」浜田の黒塗りメイクが物議 黒人作家が語った不安-
最後に
日本人が黒塗りすると、そんなに面白いですかね?
黒人に憧れている方が、日焼けをしたり黒人文化を真似る事と、顔をあえて黒塗りにして笑いをとると言うことでは全く意味が違います。
黒人本人たちが止めて欲しいといっているのだから、止めてあげることはできませんか?
日本では、道徳と言う授業があり子供の頃、「人の嫌がる事はしてはいけない。」と学びましたけど。
2015年にマクニールさんは、ブラック・フェイスを放映しないでくださいという運動を行いました。
この時は、5000人近くもの署名が集まりフジテレビは放映を取りやめたのだとか。
しかし、その理由は説明せず署名活動も認めなかったのだそう。
その署名の大半が日本人の署名だったのにもかかわらず。
日本に住む外国人だけではなく、日本人にもブラック・フェイスを不快に思っている方はいるのです。
私たちはアメリカから、ブラック・フェイスが日本のTVで堂々と放映されない日が来ることを願いつつ、細々とマクニールさんを応援してゆきます!